ワンポイント・コラム
−なぎらけんいち 葛飾にバッタを見た−

私個人としては、なぎらけんいちのアルバムの中では最高傑作と信じて疑わない1枚です。
収録曲はアルバムのタイトル曲でもある、「葛飾にバッタを見た」をはじめ、 なぎらけんいちの名を世間に知らしめたあの有名な放送禁止歌 「悲惨な戦い」、なぎらけんいちの唄では今でも人気の高い 「昭和の銀次」など聞き応え十分のアルバムです。
バッキングも、
中川イサト 加川良 シバ
高田渡 岩井宏 駒沢裕城
坂庭省悟 田中章弘 林敏明  他
といったメンバーが固めており、カントリーフレーバーに溢れるナンバーが楽しめます。
下町とカントリーフィーリングが何故かマッチしてしまうところも、 なぎらけんいちの唄の魅力のひとつです。
さてこのアルバムに収録されている「悲惨な戦い」ですが、 ご存じの通りライブ録音です。
このライブですが一体いつのライブだったのかというと、 実は日比谷の野音で行われた五つの赤い風船の解散コンサートでの録音です。
当初、なぎらけんいちは歌う予定になっていなかったのですが、 金森幸介(当時IMOバンド)のギターを借りて飛び入りで歌ったのだそうです。
この五つの赤い風船の解散コンサートの模様は「ゲームは終わり」 という3枚組のアルバムに収録されていますが、 実は当初この曲も「ゲームは終わり」に収録予定だったとか...
しかし、曲が曲なだけに五つの赤い風船のアルバムには収録されませんでした。 そしてその後なぎらけんいち本人のアルバムに収録されたというわけです。

そしてこの「葛飾にバッタを見た」はURCレコードからリリースされましたが、 「悲惨な戦い」のシングルカットはエレックレコードからのリリースです。
「悲惨な戦い」という唄自体、発売当初は放送禁止指定はされておらず、 ラジオからも良く流れてきました。
この曲は泉谷しげるの「オールナイト・ニッポン」で何度も紹介され、 そこから人気が出たと言われていますが、 これはシングル盤がエレックから発売されるという事情から、 エレックサイドからの強力なプッシュがあったとも言われています。 (事実はどうだったんでしょう...?)

当時はラジオの公開放送でよくフォークシンガーのライブが行われ、 その模様が放送されました。 この「悲惨な戦い」もラジオの公開放送で良く耳にしましたが、 ライブではよく歌詞の中にアドリブで泉谷しげるが登場していました。(笑)

この「悲惨な戦い」が放送禁止指定されたのは発売から半年ほど経ってからのことです。 当時私など、「今さら放送禁止なんて...」と思ったものです。

このアルバムは、 なぎらけんいちをただのタレントだと思っている人には是非聞いて欲しい1枚です。