ワンポイント・コラム
−よしだたくろう 結婚しようよ−

この唄を知らない人はきっと少ないでしょう。それほど売れた曲です。 またこの唄はそれまでアンダーグランドにあったフォークソングを、 オーバーグランドに押し上げた唄とも言われています。
実際、「結婚しようよ」は’72年1月に発売され50万枚を売り上げ、 ヒットチャートの2位にランクインしました。
当時としてはそれほどエポックメイキングな唄であり、 それまで一部の若者に支持されていたフォークソングを大人たちから 「商売になる」と認識させた唄でもあったわけです。
しかしそのことはそれまでの旧態依然としたフォークソングファンからは「商業主義に走った」 と非難されることも多く、 コンサート会場で拓郎はあの有名な「帰れコール」を浴びることになります。
さてこの「結婚しようよ」ですが、それまでの岡林信康、 高石友也の唄に代表されるフォークソングは「私たち」が主語で唄われることが多く、 政治的な色合いのある唄も多かったのに対し、 「ボク」が主語で唄われ、政治的色合いはまったく無く、「結婚しようよ」 というキャッチーなフレーズが当時の若者に支持されたのだと思います。
あと、この「結婚しようよ」のヒットは加藤和彦氏のアレンジによる部分も多大にあると思います。 当時としてはまだ珍しかったカントリー楽器(バンジョー、ボトルネックギター、ハーモニューム) をフューチャーし、終始同じビートで刻まれるパーカッションも耳に残りました。
ちなみに、このパーカッションは加藤和彦氏の家にあるイスを叩いているもので、 「あの素晴らしい愛をもう一度」で聞かれるパーカッションもこのイスです。

これら楽曲とサウンドの新しさが新しいフォークソングファンを開拓し、 ’70年代のフォークソングブームのきっかけを作ったとも言えると思います。

さて、B面の「ある雨の情景」ですが、スリーフィンガーで弾かれるイントロがとても印象的です。 今ではすぐにコピーできてしまう様な簡単なフレーズですが、 当時はかなりの苦労をしてコピーしたのを覚えています。